山陰の名峰大山から蒜山高原、中国山地、吉備高原の山地丘陵域は、「大山道」と呼ばれる古道が通り、大山から蒜山高原にかけての落葉樹林域は、絶滅が危惧されるギフチョウの生息地です。大山道の沿線にあたる大山南麓(鳥取県江府町)および蒜山高原を含む真庭市の山林域において、農地や里山風景の中を歩く古道(大山道)の景観を保全再生するとともに、ギフチョウの生息環境となる里地里山でのグラウンドワーク活動(植生調査、生態系調査、里山景観調査、笹刈り、里山整備)を実施しました。
地元住民が係わるグラウンドワーク活動によって、これまで人の歩くことのできなかった御机〜鍵掛峠の区間の大山道について低木や笹が刈り払われ、山道として歩くことできるようになりました。あわせて、沿道の樹林の一部にかつての里山雑木林の環境と風景が蘇り、生物多様性が高まりました。大山道は、地元自治体にとっては貴重な地域資源であったことから、「大山道の復活」をテーマとする本事業は、多くの人々の協力のもとに進めることができ、大山道および霊峰大山をシンボルとした環境保全再生活動の輪が広がりました。そして、大山道の沿線市町村に県境を越えた地域連携の動きをつくることができました。
また、大山道およびその周辺の景観や環境、歴史文化遺産を活用した観光交流事業の動きがはじまり、名峰の風景、里山環境、歴史的遺産の保全活動を取り入れた山里ツーリズムの可能性が高まりました。さらに、大山南麓の農村域において、大山道を活用したトレッキング型の自然文化遺産ワークショップを開催する中で、多様性のある自然体験プログラム、山村生活体験プログラムづくりを進めることができ、「大山自然学校」の事業展開をはじめることができました。
